甘酒は「飲む点滴」と言われる程、栄養価の高い飲み物として知られています。
→【甘酒の栄養成分を解説!】
その根拠となるのが、アミノ酸の含有が高い点が挙げられます。
→【アミノ酸が疲労回復に効く】
甘酒のアミノ酸含有量は点滴とほぼ同じ構成になっていることから、「飲む点滴」と言われているんですね。
さらに、甘酒に含まれる遊離アミノ酸量はスポーツドリンク(アクエリアス)よりも多いという研究結果も出ています。
この記事ではそんな甘酒に含まれるアミノ酸含有量についてお話したいと思います。
甘酒に含まれるアミノ酸とはそもそも何か?
甘酒のアミノ酸含有量について説明する前に、そもそもアミノ酸って何かご存知ですか?
「まぁ、栄養素でしょ。生きていくには必須だわな。」
くらいの認識なんじゃないでしょうか?
お恥ずかしながら、私もアミノ酸を説明せよと言われても正確に説明できません。
そこで、参考になるサイトを見つけたので、引用して説明したいと思います。
◎ そもそもアミノ酸とは?
そもそもアミノ酸は、体を構成する成分であるたんぱく質の分解物です。
肉や魚など食べ物として体に入ったたんぱく質は、胃で分解されアミノ酸のような小さい物質となり腸で吸収されます。
人や動物は体内に取り込まれたアミノ酸の組み合わせで再度たんぱく質(筋肉や髪など)を作り、生命活動を維持しています。
よってアミノ酸は生きていくうえで非常に重要な成分であり、健康食品やサプリメントなど日常生活で触れる機会の多い成分です。
(参考:食環境衛生研究所)
つまり、タンパク質はアミノ酸で出来ています。
私達は肉、大豆などのタンパク質を摂取して、それを一度アミノ酸に分解してから吸収しています。
そのアミノ酸を原料にして身体を作っているんですね。
「栄養」とはこのような意味です。
筋肉、髪、爪などの見える部位から、血や細胞などの目に見えないものを作っているのもアミノ酸なんですね。
また、ヒトは20種類のアミノ酸で構成されていますが、そのうち9種類は必須アミノ酸と呼ばれ、体内で作ることの出来ないアミノ酸なんです。
この必須アミノ酸は食事をすることで摂取しなければならないんですよね。
必須アミノ酸は
トリプトファン
リジン
メチオニン
フェニルアラニン
スレオニン
バリン
ロイシン
イソロイシン
ヒスチジン
の9つがありますが、なんと甘酒は9つ全ての必須アミノ酸を含んでいるのです。
必須アミノ酸は全てをバランス良く摂取しなければ機能しないんですが、甘酒を飲めば全て効率よく摂取できます。
甘酒の正確なアミノ酸含有量は?
甘酒の成分を正確に測った論文があります。
(参考:麹甘酒に含まれる成分について 著者:倉橋、小黒)
この論文では、八海醸造株式会社の「麹だけで作ったあまさけ」の成分を調査しています。

無機物、有機物含めて調査していますが、今回はアミノ酸に絞って書きます。
甘酒以外でアミノ酸が豊富な食品と比べる
アミノ酸が豊富な動物性タンパク質として、豚肉を例にしてみましょう。
豚肉100gに含まれる必須アミノ酸と、甘酒100gに含まれる必須アミノ酸を比べてみました。
単位はmg | 摂取目安量(体重50kgあたり) | 豚肉 | 甘酒 |
トリプトファン | 200 | 240 | 16.5 |
リジン | 1500 | 1600 | 52.8 |
メチオニン | 750 | 570 | 27.5 |
フェニルアラニン | 1250 | 800 | 61.5 |
スレオニン | 750 | 930 | 49.5 |
バリン | 1300 | 1100 | 73.7 |
ロイシン | 1950 | 1600 | 95.7 |
イソロイシン | 1000 | 960 | 52.8 |
ヒスチジン | 600 | 1000 | 30.8 |
今回は豚肉のロース脂身なしという最高級に栄養がある食品と並べてみました。
さすがに豚肉のアミノ酸含有量と比べると、甘酒の必須アミノ酸含有量は少なく感じますね。
しかし、ロースの豚肉を調理して100g食べるより、甘酒を100ml飲む方が手軽で簡単です。
甘酒なら豚肉などの動物性タンパク質を摂取しなければ摂れないような必須アミノ酸も手軽に摂取出来ますね。